複利と72の法則

投資

 今日は、とても便利な72の法則を紹介します。

 この法則は、資産が2倍になるのにかかる年数と利率の関係を求める簡便法として、投資をする人には結構よく知られている数式です。

 資産が2倍になる年数 = 72 ÷ 利率(%)

で示されます。例えば、年利6%なら12年、年利8%なら9年、12%なら6年といった具合です。

 この数式、とても当てはまりがいいことでも知られており、実際に計算してみると次の通りの結果が得られます。

利率(%)(x)72 ÷ 利率 (y)(1+利率)の y 乗
172.02.0471
236.02.0399
324.02.0328
418.02.0258
514.42.0190
612.02.0122
710.32.0055
89.01.9990
98.01.9926
107.21.9862
126.01.9738
243.01.9066
362.01.8496

 年率2%であれば36年で2.039倍、年率8%であれば9年で1.999倍、12%なら6年で1.973倍となり、いずれもほぼ2倍となっています。

 利率が大きくなると当てはまりが悪くなりますが、年率24%でも1.906倍なので、簡便法としてはかなりの優れものです。

 さらに、72という数字には約数が多く(1桁だと5と7を除く7こ)、計算がしやすいというメリットがあります。

 この法則は複利の重要性、複利の威力を伝えるときに併せて紹介されることが多いようです。

 ところで、複利については、単利にくらべてわかりにくいという話をよく聞きます。「利息にも利息が付く」というような説明がされますが、初めて聴く人には却ってわかりにくいようです。

 実は、日常見かける経済統計には複利の方法で計算されているものが結構あります。経済統計にはある時点を100として現時点の数値を表すタイプのものもありますが、前年比で表すタイプのものもあります。

 後者のタイプとして消費者物価指数(CPI)やGDPなどがありますが、これらの経済統計の計算はまさに複利計算そのものです。CPIは毎年のインフレ率を、GDPは毎年の経済成長率をかけたものとして示されるからです。

 中国のGDPが日本を抜いて世界2位になったのは、2010年のことですが、10年後の2020年時点では日本の3倍近くの規模になっています。経済成長率の差が複利で効いているため、わずか10年でこのように大きな差となってしまいました。

 また、日銀がインフレ率の目標2%を達成したとすると、毎年2%ずつ物価上昇するということになりますが、これは2%複利そのものなので、36年後には物価が約2倍になるということです。給料もあがるからいいだろうと思う人もいるかもしれませんが、手持ちのお金の価値は半分になってしまいます。

 このように複利計算は、意外と身近なところに見ることができます。

 複利の運用のパワーを語るときに、よく引き合いに出されるのがマンハッタン島の購入の話です。マンハッタン島はオランダが1627年に原住民から24ドル相当で購入したというはなしがあり、いくらなんでもこれは安すぎるだろう、原住民は騙された、搾取された、という趣旨の話です。

 この代金24ドルを複利で運用していたらどうなっていたかというのがこの話のつづきです。72の法則を適用するのに計算が簡単になるように運用利回りを7.2%とします。この場合、72の法則では10年で2倍となる計算です。1627年から現在まで394年なので、これまた単純化のために400年とすると、400割る10が40なので、元本24ドルに2の40乗をかけたものが運用結果ということになります。

 72の法則と合わせて知っておくと便利なものとして、2の10乗がおよそ1,000になるというものがあります。(これは単純に計算すればわかりますが、2の10乗は1,024です。)

 2の10乗が1,000だとすれば、20乗は100万、30乗は10億、40乗は1兆です。ですから、先ほどの計算の答えは24兆ドルとなり、これも単純化のため1ドル100円とすると2,400兆円ということになります。

 簡便法の合わせ技で計算した結果なので、正確な計算とくらべればそこそこの誤差がありますが、だいたいこのくらいの桁数のこのくらいの大きさの数字だというのが以上のように簡単に求められます。

 原住民が一枚上、騙されていたのはオランダ人、というのがこの話のオチです。

 ということで、本日は投資の知識として、とても便利な72の法則と複利の話でした。

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