お宝高配当銘柄AT&Tに何が起きたのか その1

投資

 ここ数日の間、米国株式投資をしている個人投資家の間で、AT&T(ティッカー:T)が話題です。おじさんも、実はAT&Tの株主ですので大変気になっています。

 いったい何が起きているのでしょうか。 

スポンサーリンク

個人投資家に大人気 AT&T

 AT&Tはアメリカの通信とメディアの超巨大企業で、日本のNTTのような会社ですが、業種などはさておいて、日本の個人投資家に非常に人気の銘柄です。

 理由は、超がつく高配当銘柄だからです。直近の年間配当2.08ドル、株価が先週金曜日の終値で29.43ドルなので、税引き前の配当利回りは7%超です。

 通信会社の配当利回りは、実は日本企業もかなり高いです。NTT、KDDIは4%弱、ソフトバンク(グループではなく携帯子会社の方です)にいたっては6%超です。

 最近の米国株ブームもありますが、人口が減少に転じ、景気もさっぱりの日本と違ってアメリカはいまだに人口増加しており、かつ経済も力強く成長していることから、通信のような安定業種においても、今後の業績、配当の継続性・安定性については、何となく米国企業の方が良さそう、と日本の個人投資家の間でも考えられている節があります。

 さらにAT&Tは連続増配企業としても有名です。連続増配を36年続けており、日本の上場企業で最長記録を持つ花王の32年よりも上です。

 ところで、AT&Tは連続増配で高配当銘柄なのですが、花王は32年も増配しているのに配当利回りはおよそ2%です。これについてはいろいろな見方ができると思います。アメリカの企業にも連続増配していてもそれほど利回りが高くない銘柄が数多く存在します。株価が上がれば利回りは下がるからです。配当利回りを求めるかトータルリターンを求めるかによっても見方は変わってくると思います。

 とにかくAT&Tは超大型(=安定してそう)で超高配当(=儲かりそう)ということから、日本の個人投資家にも大人気で、楽天証券の米国株売買ランキングで常に上位にいます。

 今現在、5/16から5/22までの期間の楽天証券米国株売買代金ランキングを見ることができますが、AT&Tは堂々の2位です(もちろん今回の報道も影響しています)。1位がテスラ、3位がアップル、4位がアマゾン、5位がマイクロソフトと、軒並みハイテク高成長期待銘柄が上位を占めるなか、投資対象としての存在感を示しています。

 このAT&T、配当は高いのですが、株価の方は、これはもうさっぱりなのです。ここ数年の米国株上昇相場にも関わらず、長期低迷状態が続き、高値45ドル近辺から下落を続け、30ドル近辺を行ったり来たりしています。

 それでも、なんといっても配当利回り7%、AT&Tの株主は配当を期待しているので、ファンは株価は気にしません。むしろ下がってくれたら絶好の買い場というわけです。

 株主が心配しているのは、高すぎる配当利回り。今後も大丈夫なのか、減配なんてしないよね、ということだったのです。

 ところが、5月17日に大きなニュースが発表されました。

AT&Tに何が起きたのか

 5月17日(現地時間では16日)、ブルムバーグが、AT&Tとディスカバリー(アニマルプラネットなどドキュメンタリーで有名なケーブルテレビの会社です)がメディア部門統合の協議をしていると報道、翌日にはAT&Tがメディア部門ワーナーメディアをスピンオフし、ディスカバリーと統合すると公表しました。(おじさんはこのニュースをおじさん愛読エコノミストのエスプレッソで読みました。)

 この報道に対してマーケットは最初は好感、その後おおいに失望という反応を示したのでした。

 もともと、AT&Tのメディア部門ワーナーメディア(旧タイムワーナー)はAT&Tが司法省と争うなど苦心の末3年前に買収を完了したものの、正直あまりうまくいっていないね、というのがマーケットの大方の見方でした。

 ですから、今回のスピンオフによりワーナーを負債付きで切り離すことができれば、通信専業となる新生AT&Tにはプラスになるはず、ということでいったん株価はいったんは大幅に上昇しました。

 しかし、その後、たしかに身軽にはなるが、その分キャッシュフローが減るので、どうも減配されるらしい、という見方が次第に強まり、トップが減配を示唆した(新生AT&Tのキャッシュフローの4割程度を配当として還元すると発表、資料はこちらの15ページ、Attractive Dividendのところです)ことで、このメディア部門のスピンオフ発表は失望に変わり、株価は大幅に下落、決算後多少持ち直していた株価はまた定位置の30ドル前後に逆戻りとなりました。

 決算時にAT&TのCEOジョン・スタンキーさんは、今後も配当維持にコミットするようなことを言っていたので、その反動もあったと思われます。結局、我らのAT&Tは、配当期待の銘柄で、「選択と集中によりこれからの5G時代におけるトップランナーになる」とか、そんなことは個人株主にとってはどうでもよかった、ということです。

 ちょっと長くなりましたので、今日はここまでです。次回、おじさんとAT&Tの関わり、保有株をこの発表を受けてどうするかについて書こうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました